またまた県立川崎図書館のサイエンスカフェへ行って参りました。今回のテーマは人気の「ニセ科学」という事で、定員40名に対して203名の応募があったそうな。その為に定員を急遽90名まで拡大、俺らも何とか潜り込めました。
ゲストスピーカーは内科医の小内 亨先生。 以前別の記事に書いたのですが、俺らこの先生のファンです!
本日は混雑が予想されたので早めに受付を済ませ、最前列に陣取ってスタンバイ。
満員御礼。客層は相変わらず年配者が多いものの、いつもと比較して平均年齢がやや低い&女性が結構来てました。年齢性別関係無しに興味あるテーマなのね。
◆ニセ科学の見破り方〜危ない健康情報を見分けるコツ〜(告知ページ)
◆健康情報の読み方(小内先生のサイト)
※その他の関連リンクは拙Blog◆ニセ科学フォーラム2008 の記事に
以下、講演の内容など(長いっす。済みません!)。
【あるある大辞典の納豆ダイエットの話題】
- 番組で紹介されたDHEA(デヒドロエピアンドロステロン)摂取時の効果に関する論文を調べたが、体重が減ったとは何処にも書いていなかった
- 米国研究者のインタビュー映像、日本語吹き替えで勝手に「イソフラボンを摂取するとDHEAが増える」と喋ったように捏造していた
- 番組内で行った実験(検査)も、実際には何も測定していなかった
- これらは「納豆でダイエットができる」という前提で番組を制作した為に、捏造せざるを得なかったのだろう
【血液サラサラの話題】
- 「サラサラ」という言葉の解釈は様々。あいまいなので、使用者の都合の良いように解釈されている。
- そもそも「血液サラサラ」なら健康に良いのか?サラサラ過ぎて出血が止まらない事態も考えられる訳だし
- 「血液サラサラ」この言葉が出てきたら、「ちょっと待てよ」と警戒したほうが良い
- NHK『ためしてガッテン』では、血液に玉ねぎエキスを混ぜた実験結果(経口摂取したのではない)を基に「サラサラになった!」と主張していた
- なぜ他の食品ではなく"玉ねぎ"なのか?番組側に特定の品をプッシュしたい何らかの意図があったのだろう
【マスメディアからの情報の偏り】
- 視聴率や販売部数を伸ばすため、重要性や正確さではなく、話題性のある題材を取り上げる
- 真実をそのまま伝えている訳ではない。(健康情報の)良い点ばかりを強調したり、スポンサーの意向に反した情報は提供しない
- 私(※小内先生)も以前、サプリメントに関する取材を受けた際に、15分くらいかけて散々「効果が無い」と言ったら、編集され後姿をちょこっとだけ放送されただけだった(笑)
【ダイエットサプリメント】
- ダイエットサプリでは痩せない。科学的に効果が証明されたものは殆ど無い
- 数少ない、効果が証明されたダイエットサプリは副作用&死亡例(例:エフェドラ)があり、危険
- 仮に摂取し体重減少したとして、本当にダイエットサプリの効果で痩せたかどうかは疑問("ホーソン効果"というものがあり、極端な話「ダイエットの実験体に選ばれました」と告知されただけでも痩せる事がある)
【宣伝・広告テクニック】
- 体験談、脅し、難解な言葉、仮説や推論(科学的に証明されていない事柄)、動物実験の結果(人間に当てはまるとは限らず)を用いて、いかにも効果があるかのように宣伝する
- 広告には捏造も多い。よくある使用前−使用後の写真などは、膝など間接部の幅(太っても殆ど変わらない)を見比べると真偽が判断できる事がある
- ダイエット番組流行の背景には、受け取り手の「手軽にすぐ痩せたい」という願望と、ダイエット食品を売りつけたい業者側の思惑がある
- 体験談だけでは信用できない。本当にその製品(方法)で効果が得られたかどうか確かではないから
【サプリメントの効果検証】
- 抗酸化サプリメントを摂取すると、本当に老化が抑制できるのだろうか?(フリーラジカル老化仮説)
- βカロテン、ビタミンA、E、を摂取した実験では、期待した効果が得られず、逆に総死亡率、がんの発症率が上昇した
- コエンザイムQ10、αリポ酸に関する論文を検索したが論文は見つからなかった。唯一発見できた動物実験結果では、効果が無い事が証明されていた
【本当に(サプリによる)補充が必要なのか?】
- 「体内で○○という成分が減少」と言っても原因は様々。減ったからといって不足し、問題が起こるとは限らない(需要も減った可能性も)
- 減ったからといって、サプリを飲んで補う事で改善する保証はあるのだろうか?コラーゲンは体内で合成されるので、"コラーゲン"という形で摂取する必要性はない
- 原料をサプリで補給しても、体内で合成する力が衰えている場合は意味が無い
- サプリはあくまで「食品」であり、「医薬品」とは違って、その有効性、安全性は保証されていない
【厚生労働省が代替医療推進?】
- 効果の検証に乗り出したと言うが・・・何を今更
- 代替医療の効果は、既に検証されつつある。何よりも『代替医療のトリック』という良書が出ている。著者の1人、エツァート・エルンスト の書く事は信用できると評価している
基本的には『ニセ科学フォーラム2008』での講演とほぼ同じでした。構成が少し変わり、より分かりやすい表現を選ばれていた感じはします。
小内先生、健康食品や広告への斬れ味は相変わらずでしたね〜。外見は非の打ち所の無い紳士で、口調は穏やかのですが、トークの内容は容赦ありません。胡散臭いサプリや番組、本の著者など、実名出してバシバシ斬り捨ててておられました。いや〜頼もしい!
また、話のところどころから先生の、獲物を追い詰める際の熱さが見え隠れしとります。
『あるある大辞典』の納豆ダイエットの回は、新聞の番組欄でタイトル見かけた瞬間に怪しいと直感し、録画して万全の体制で挑んだそうですが、見た目冷静でも内心は恐らく キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!! って状態だったのかも(笑)
本日来られたお客さん達も、関心の高い方が多かったと見えて、講演後の質疑応答タイムだけでなく、休憩時間も先生の周囲に常に人が居るような状態でした。盛り上がりすぎて、カフェ終了後に客同士が議論を始めるような事態も(いやー凄かった!)。
会場の後方壁には、今まで行われたカフェの模様をパネルにして展示してありました。カフェ終了後、独りでのんびり目を通していたら、図書館の職員の方が解説してくださりました。この画像はパネルの1枚。『ニセ科学に惑わされない』と題され、ニセ科学でありがちな騙しの手法を検証、ツッコミを入れ、「ニセ科学を放置するとなぜいけないのか?」と纏めている内容です。
文の最後には、浄水器の謳う効果を検証するサイト『水商売ウォッチング』を運営されている、山形大学准教授・天羽 優子先生の名が。
実はこれ、高校で副教材として配布され、授業で使われたもの(の写し)だとか。授業でニセ科学の話ができるなんて、俺らとしてはちょっと羨ましい・・・(いや、それだけ現在は、ニセ科学の蔓延が目に余る事態という事なんですが)。
ニセ科学である「水からの伝言(水伝)」が学校の授業で取り上げられたりして話題(問題)になってますが、真っ当な科学者の皆さんも科学リテラシー向上の為、積極的に活動されている様です。
カテゴリ【イベント(サイエンス系)】の記事(最新5件)
